2005年4月16日(土)「しんぶん赤旗」

「宗教者九条の和」発足

宗派こえ平和守る思い一つに


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「宗教者九条の和」の発足を発表する記者会見=15日、京都市

 憲法九条を守り世界に輝かせたいという「九条の会」のアピールに賛同する「宗教者九条の和」が十五日発足し、呼びかけ人の村中祐生大正大学元学長(天台宗)らが京都市内で記者会見し、発表しました。

 呼びかけ人は十五日現在五十五人。宮坂宥勝・真言宗智山派管長、河野太通・花園大学元学長(臨済宗)、白柳誠一・カトリック枢機卿、山北宣久・日本基督教団総会議長、松原通雄・立正佼成会外務部長など、諸宗教の教団要職者や教義上の指導者が名を連ねています。(3面に名簿)

 会見に先立つ発足式では、「宗教者九条の和の願い」(別項)を確認。呼びかけ人世話役に村中氏ら五人を選びました。

 「会」ではなく「和」にしたことについて村中氏は「『九条の会』アピールを賛同し広げたいという同じ思いにたつ人々が心を通わしあうという意味で『和』とした」と説明。今後、宗教界のすみずみまでアピールを届け、賛同者を募ることを課題とし、「それぞれの立場で平和運動をしている宗教者の思いを知り、確かめあうためのシンポジウムや、諸宗教者が語り合い多くの人に聞いていただく場もつくっていきたい」と語りました。

 記者会見に出席した呼びかけ人は「殺すなかれ」「平和をつくり出す人は幸い」など、釈迦(しゃか)やキリストの教えをひいて発言。「日本は戦争する国へと変ぼうしつつある。その到達点が九条の改悪」(山本俊正・日本キリスト教協議会総幹事)、「軍事力ではなく九条を掲げ続けることで世界に貢献すべき」(平良仁志・日本バプテスト連盟理事長)、「九条を人類の悲願と受けとめ、これを日本の国是に」(児玉暁洋・真宗大谷派教学研究所元所長)、「九条の和発足で宗教者それぞれの運動のよりどころができた」(宮城泰年・本山修験宗宗務総長)とそれぞれ語りました。信楽香仁・鞍馬寺貫主、金光教の藤井泰雄・平和活動センター理事長など呼びかけ人多数がメッセージを寄せました。

 「宗教者九条の和」の事務所は東京都江東区潮見二の一〇の一〇、日本カトリック会館内。03(5632)4444。


「宗教者九条の和の願い」

 ○憲法第九条を「輝かせたい」と願う人々とその意義を語りあい、思いを他に伝えたい

 ○憲法第九条が世界の文明構築に普遍的な意義を明示し指針を示している、と了解したい

 ○世界が国際化を進める中で、互いの国の平和が道義的軌範の核となることを信じたい

 ○私どもは宗教者として平和を願う人々と真に平和のあり方を考え、共に祈誓したい

 ○宗教者は自らの所信に遵(したが)って、平和の世界を具現するために調和と抑制を説示したい


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