2005年4月16日(土)「しんぶん赤旗」

介護予防のはずが

筋トレで体調悪化続出


 厚生労働省がすすめている介護予防の市町村モデル事業で、筋力向上トレーニング(筋トレ)に参加した高齢者が「鼻血が出た」「入院した」など、体調を悪くする例が続出していることが十五日明らかになりました。民主党要求による衆院厚生労働委員会提出資料です。介護予防の導入は介護保険改悪法案の柱です。

 厚労省に報告提出した四十五市町村の集計では、要介護1の軽度要介護者では、筋トレにより社会生活機能「改善」四十人にたいし「悪化」が四十二人、日常役割機能も「改善」三十三人にたいし「悪化」が三十四人です。どちらも悪化が改善を上回っています。

 北海道美唄市では十七人の筋トレ参加者のうち半分近い八人が中断。「風邪をこじらせた」「入院した」「身体に変調」などが理由に挙げられています。

 山形県尾花沢市では鼻血を出した人も。その後「体のだるさと、出ることのおっくうさを訴えはじめ、参加が遠ざか」り、介護予防だからと担当者が参加を促しましたが「家族が『そこまでしなくても』と」中断しました。

 参加拒否が多く、依頼した三十六人中十一人しか参加せず、うち六人が不安や家族の事情で中断した(宮崎市)という例もあります。

 同委員会で日本共産党の山口富男議員は「こうした資料が審議の前提になる」とただし、尾辻秀久厚労相は「そう理解している」と答えました。


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