2005年4月19日(火)「しんぶん赤旗」
介護保険の満足度低下
高知で公聴会 政府案に批判次つぎ
山口議員質問
介護保険法「改正」法案に関する衆院厚生労働委員会地方公聴会が十八日、高知市で開かれました。澤本義博・高知市健康福祉部長は、新予防給付のマネジメントは地域包括支援センターだけで担うことは困難で、居宅介護支援事業所の協力を得る必要があると述べ、中平幹運・高知県老人クラブ連合会会長は「デイサービスやヘルパー利用などどうなるか不安」と語りました。
大原啓志・高知大学医学部公衆衛生学教授は「介護予防の趣旨が市町村に十分達していない。成果の明確な検証もされていない」、和田節・介護老人保健施設あったかケアみずき施設長は「医療費抑制と介護保険がうまく結びついていない。予防をいれたあいまいさが議論になっている」と問題点を指摘しました。
田中きよむ・高知大学人文学部教授は、家事代行にたいする一面的評価や筋力向上トレーニングが制度化されることの懸念などをあげ、「このまま改正法施行になると混乱にならないか心配している」と表明しました。
日本共産党の山口富男議員は五氏の意見陳述を聞き、「法案にたいし不鮮明、不透明、正体不明、具体性に欠くという意見が公聴会で出たことを重く受け止める」と感想を述べた上で五氏に質問。
政府が財政的効率化を制度維持の理由にあげていることにたいして田中氏は「負担増で利用しにくくなると、介護保険制度にたいする満足感が低下する」と答えました。また、改悪案が施設入所者から居住費・食費の全額徴収をあげていることについて和田氏は「居住費・食費を介護保険と切り離すのであれば、応能負担とすべきだ。所得格差が大きすぎる」と答えました。