2005年4月20日(水)「しんぶん赤旗」
靖国神社参拝で小泉首相
“国益に反しない”
小泉純一郎首相は十九日昼、中国の反日デモに関連し、首相の靖国神社参拝が中国人民の感情を傷つけているとの中国側の指摘について「わたしはそうじゃないと思いますね。不戦の誓いと戦没者への哀悼の念で参拝している」とし、「(日本の国益に反するとは)思わない」とのべました。
首相はその上で「それぞれの国には歴史もあるし、伝統もある。考え方も違う」と強調しました。首相官邸で記者団に答えました。
日中関係悪化の根源に目背ける
小泉純一郎首相の靖国神社参拝は、中国をはじめ近隣諸国からきびしい批判を受けてきました。それは、同神社がかつて侵略戦争推進の精神的支柱であり、戦後も侵略戦争を指導した東条英機らA級戦犯を「昭和殉難者」として合祀(ごうし)しているからです。
中国各地でつづく「反日デモ」にみられる、この間の日中両国間の関係悪化の根源には、首相の靖国参拝など、日本の一部にある過去の侵略戦争と植民地支配を肯定、美化する動きがあります。
そのことが問われているときに、小泉首相が問題の根源から目を背け、靖国参拝を当然視することは、事態を悪化させることにしかなりません。