2005年4月21日(木)「しんぶん赤旗」
「介護報酬 適切に」
衆院委 ヘルパー低賃金で厚労相
山口議員質問
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日本共産党の山口富男議員は二十日の衆院厚生労働委員会で、介護サービスの向上をはかる上で問題となっているホームヘルパー(訪問介護労働者)の低賃金・劣悪な労働環境をとりあげました。おおもとは介護保険から事業者に支払う介護報酬が実情にあっていないからだという山口氏の指摘に、尾辻秀久厚生労働相は「介護報酬の適切な設定に努めていきたい」と答えました。
中央社保協、全労連の調査によれば、ホームヘルパーの八割以上が非正規職員で、その七割が月収十万円未満です。こうした低賃金の背景に、移動時間、待機時間が長く、その時間が無給の場合が多いという実態があります(表)。
山口議員は「五時間の勤務のために費やす時間は倍」「待機時間を家にも帰れず公園やスーパーで過ごす人が多い」などの実際のヘルパーの声も紹介して、介護報酬に問題があることを指摘。「移動時間、報告書作成時間、待機時間などは労働時間であり賃金が支払われるのが当然。ところが、介護報酬ではこうした労働時間に報酬が設定されておらず実態に合っていない」と追及しました。
ホームヘルパーの労働条件については昨年八月に厚生労働省が「法定労働条件の確保」を求める通達を出しており、尾辻厚労相は「労働基準法をきちんと守ることは前提」と表明しました。
介護予防給付 効果は不明確
山口氏指摘
二十日の衆院厚生労働委員会で山口富男議員は介護保険改悪法案の目玉である介護予防給付について、市町村で先行実施しているモデル事業の中間報告によっても「効果が明確なサービスと認定できない」と指摘しました。
介護予防とは軽度要介護者に筋力トレーニングなどを行って、要介護状態になるのを防ぎ、介護給付を抑制するというものです。
厚生労働省は新しい介護予防について「効果が明確なサービスについてモデル事業を踏まえて導入」としてきましたが、中間報告について尾辻秀久厚労相は「一定の効果を示唆している」というのが精いっぱいでした。
中間報告によると、マシン使用の筋トレで「体の痛み」や「心の健康(ゆううつなど)」などの項目で悪化した人が要支援認定者では四人に一人に及びます。