2005年4月22日(金)「しんぶん赤旗」

「君が代」強制反対弾圧事件

初公判で弁護団

公訴棄却求める


 昨年の東京都立高校の卒業式で「君が代」の強制を批判する発言をし、「威力業務妨害」の罪で起訴された元教諭の初公判が二十一日、東京地裁(村瀬均裁判長)で開かれました。弁護側は元教諭の行為は犯罪にあたるものではなく、起訴自体が「日の丸・君が代」強制への批判を抑え込むための違法な言論弾圧だと主張。実質審理に入る前に公訴を棄却するよう求めました。

 起訴されているのは元都立高校教諭の藤田勝久さん(64)。昨年三月、かつて在職していた都立板橋高校の卒業式に来賓として出席したさい、開式前に保護者に向かって「教職員は立って歌わなければ処分されます。ご理解願って、国歌斉唱のときできたら着席をお願いします」と呼びかけ、校長らに退席させられました。その後、高校側が被害届を出し、東京地検は藤田さんが卒業式の遂行を妨害したとして起訴しました。

 公判で藤田さんは在職最後時に一年生だった生徒の卒業式への参加を楽しみにしていたのに、「待ち時間の保護者に話しかけただけで、家宅捜索され、起訴されねばならないのか。刑事法廷の場に立っていることがどうしても納得できない」とのべました。

 弁護団の尾山宏団長は「石原都政、都教委にさからうものはお上にさからうものとして抑えつける政治的な色彩の強い弾圧事件だ」と指摘。自衛隊宿舎へのビラ配布や社会保険庁職員のビラ配布への弾圧事件などをあげ、「言論がこれほど弾圧されることはこの国の民主主義の危機だ」と述べました。

 弁護団は、都議会で問題にした土屋敬之都議(民主党)、都教委、公安警察、東京地検公安部などによってつくりあげられた「事件」であるとのべました。


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