2005年4月25日(月)「しんぶん赤旗」
「草の根から採択阻止」
「つくる会」教科書 集会で運動交流
日本の侵略戦争を美化する「新しい歴史教科書をつくる会」の社会科教科書の問題で、「『つくる会』教科書の採択を阻止しよう!東京集会」が二十四日、千代田区内で開かれ、約五百人が参加しました。
「新たな戦争をあおる教科書」を採択させないため「情報を交換し、各地域で学習会や集会、署名活動に取り組む」とするアピールを承認しました。
主催したのは「『つくる会』教科書採択を阻止する東京ネットワーク」(教科書東京ネット)。前回採択時に都内各地で運動した市民団体や保護者、研究者が再結集し、昨年九月に結成しました。この日の集会には都内の七十以上の市民、法曹関係者団体が賛同しています。
集会では、歴史教育者協議会の石山久男委員長が歴史教科書の問題点を解説。「天皇についての記述が多い一方、一揆や徴兵反対などの民衆運動を書かない。支配者によって歴史が作られたという史観だ」と語りました。
全国民主主義教育研究会の浅羽晴二さんは公民教科書について「大日本帝国憲法を高く評価し日本国憲法を軽視する『改憲の手引書』だ」と批判しました。
その後、首都圏各地で運動に取り組む団体が情勢を報告。元「つくる会」副会長の高橋史朗氏が県教育委員に就任した埼玉県からは、「教育と自治埼玉ネットワーク」の片岡洋子さんが発言。高橋氏を教科書採択にかかわる議事に参加させないよう、要請を続けていることを紹介しました。
「子どもと教科書全国ネット21」の俵義文事務局長は「〇一年の採択時よりも速いペースで採択反対の運動が広まっている。草の根運動で全国に採択ノーの声を作り出せば、教育基本法と憲法の改定を阻止する力にもなる」と呼びかけました。