2005年4月27日(水)「しんぶん赤旗」
靖国問題解決求める
緒方議員 日中関係で主張
参院委
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日本共産党の緒方靖夫議員は二十六日の参院外交防衛委員会で、先のアジア・アフリカ首脳会議の際に開かれた日中首脳会談とそれを受けての日中関係について質問し、小泉純一郎首相の靖国神社参拝問題を解決することなしに事態の真の打開はないと主張しました。
小泉首相は、アジア・アフリカ首脳会議で植民地支配と侵略への反省とおわびに言及。日中首脳会談では、胡錦濤国家主席から「過去の歴史を反省するという言葉を行動の上で表し、二度と中国人民の感情を傷つけることはしない」よう求められました。
緒方氏は「大事なのは、(首相が)反省とおわびに言及した以上、それと矛盾する行動、相手から矛盾と受け取られるような行動は慎むべきだということではないか」と提起。一九八六年に中曽根康弘首相が靖国神社公式参拝を見送った際に出した後藤田正晴官房長官の談話を紹介しました。
談話は、靖国公式参拝を中止した理由について「近隣諸国の国民の間に、我が国の行為に責任を有するA級戦犯に対して礼拝したのではないかという批判を生み」、「(わが国の)過般の戦争への反省と平和友好への決意に対する誤解と不信さえ生まれるおそれがある」としています。緒方氏は、こうした過去の政府見解に照らしても、「四年連続して参拝を続ける小泉首相の態度は中国国民の感情を刺激してきたのは明らかではないか」とただしました。
町村信孝外相は、靖国参拝について小泉首相が「適切に判断していく」と述べていると答弁。後藤田官房長官談話については「尊重しなければならない」としつつ、「(今と)その時の状況が全く同じだとも思わない」と述べました。緒方氏は「状況はもっと深刻になっている。靖国問題を解決しない限り、きちんとした日中協力は進まない」と重ねて強調しました。