2005年4月27日(水)「しんぶん赤旗」
今回のNPT会議 なぜ重視?
〈問い〉5月2〜27日に開かれる核不拡散条約(NPT)再検討会議は、日本の民間団体が多くの代表を送るなど、重視されているようです。なぜですか。条約についての日本共産党の立場は? (埼玉・一読者)
〈答え〉 1970年に発効した核不拡散条約〈(Nuclear)Non−Proliferation Treaty〉は、米国、ロシア、英国、フランス、中国の核兵器保有5大国の核独占体制を保障した条約です。日本共産党は、NPTが5大国の核兵器の開発、製造、貯蔵、配備をなんら規制しない点を批判してきました。
同時にNPTは、加盟国に核軍縮を義務づけ(第6条)、非核国には核エネルギー(原発)の平和利用の権利があることを認めています。
再検討会議は、これらのNPTの約束が実行されているかどうかを検討するために5年ごとに開かれています。
95年の会議でNPTの無期限延長が決まった後、2000年の会議では、「核保有国が自国の核兵器の完全廃絶を実行するとの明確な約束」を含む核軍縮のため13項目の措置が、米国も含む賛成で合意されました。
これによって、核独占を正当化する条約の会議で核廃絶が合意されるという現象が起きたのです。背景には、ソ連崩壊後の、核廃絶を求める国際世論の高まりがありました。
しかし、01年に発足したブッシュ米政権は、核兵器を何とか使用しようという政策を打ち出し、その具体化を図っています。そのため、その妨げとなる00年会議の合意を無視しようとしています。
こうした状況から、今年の再検討会議が、核廃絶に向けた動きをさらに進め、それへの逆流を押しとどめる上で、重要な機会とみなされています。
唯一の被爆国である日本をはじめ、世界の多くの国の人々が、会議が開かれる国連本部のあるニューヨークに集まる予定です。
米国の姿勢が大きな不確定要因となり、今回の会議の行方は予想がつきませんが、世界の世論と運動はいま、核廃絶をいっそう強く求めています。(明)
〔2005・4・27(水)〕