2005年4月28日(木)「しんぶん赤旗」
郵便ネットワーク危機に
民営化法案 市田書記局長が談話
日本共産党の市田忠義書記局長が二十七日発表した、郵政民営化関連法案についての談話は次のとおりです。
一、小泉内閣が閣議決定した郵政民営化法案は、郵便、貯金、簡保という郵政三事業がになってきた国民への基礎的な通信・金融サービスと、それを支える郵便局の全国ネットワークを重大な危機にさらすものである。日本共産党は、国民サービスを切り捨てる郵政民営化に反対し、この法案の撤回・廃案を要求して奮闘する。
一、小泉内閣は、何のための民営化か、町の郵便局がなくなってしまうのではないか、という国民の疑問と不安にまともにこたえようともしていない。もともと郵政民営化が、郵貯・簡保の縮小・廃止を要求してきた銀行・生保業界やアメリカの金融資本の利害を背景にした米政府の要求にこたえるものだからである。そのために国民サービスを犠牲にする民営化は、国民にまともに説明できるようなものではない。
一、政府と自民党による「修正合意」も、こうした郵政民営化の本質と、国民サービスの切り捨ての危険を何ら変えるものではない。ユニバーサルサービスを維持するためとして「地域・社会貢献基金」の創設や、民営会社による「株式の持ち合い」を可能にするなどとしているが、こうしたことに言及せざるを得なくなっていること自体が、民営化によって、地域の郵便局がなくなるなど国民へのサービスが重大な危機にひんすることを自ら認めるものである。しかし、その具体的な手法は明らかにされておらず、全国の郵便局網を維持するためにはどの程度の資金が必要なのか、株式売却益や配当収入でまかなえるのかなどの基本的なことでさえ、まともな検討も、試算も行われていない。いったん売却した株を買い戻すなど、不可解としかいいようがないやり方で、ユニバーサルサービスを維持するための郵政三事業の一体的経営が実現するなどとはとても言えない。まさに空手形である。
一、まともな理由さえ示せない民営化はきっぱり中止し、自民党による郵政事業の私物化や郵政官僚の「天下り」先になっている多数の「ファミリー企業」など、国営事業にあるまじき利権や不正にこそメスをいれるべきである。そして、国民への基礎的な通信・金融サービスを提供するという郵政事業の本来の役割を発揮するサービス改善につとめるべきである。