2005年4月28日(木)「しんぶん赤旗」
「昭和の日」を祝日に 日本共産党は?
〈問い〉「昭和の日」を祝日にすることについて日本共産党はどう考えますか?(千葉・一読者)
〈答え〉「昭和の日」として国民の祝日にする「国民の祝日に関する法律の一部を改正する法律案」が衆議院で議決され、いま参議院におくられています。日本共産党はこの「改正」法案に反対です。
反対の理由は、先の天皇の誕生日を「昭和の日」とすることは、戦前の侵略戦争と暗黒政治の反省にたって打ち立てられた憲法の国民主権・平和・民主主義の原則をふみにじるものと考えるからです。
法案の提案理由は、昭和という「この時代を象徴する4月29日を、昭和を記念する『昭和の日』とする」としています。
先の天皇は、みずからが国の全統治権を握る政治体制のもとで侵略戦争を推し進め、国の内外に未曽有の惨禍をもたらした最高責任者です。この最高責任者の誕生日を「国民こぞって祝い、感謝し、記念する」国民の祝日にすることは、憲法の平和的民主的原則をふみにじるものです。
第二の反対理由は、新憲法のもとで定められた祝日法の理念に真っ向から反するものだからです。
戦前、天皇は神聖にして侵すべからずとした体制のもと祝祭日は、宮中行事、国家神道に結びついたものでした。戦後、新憲法が制定され主権は国民に移り、祝祭日も宮中中心から、国民の祝日と変わりました。
先の天皇の誕生日を「昭和の日」とすることは、こうした祝日法の理念と歴史の流れに逆行するだけでなく、この時代に対する国民の多様な認識を無視し、国民が容易に納得し参加できる日という祝日の選定基準にも反しています。
国民の祝日は、国民生活や国民感情と密接につながり、将来長く実施されるものであり、慎重な法案審議がおこなわれるべきです。
衆議院では、わずか一時間というきわめて不十分な審議のまま、採決が強行されました。国民の祝日という事柄の性質からしても、参議院では広範な国民の声を聴くなど、十分な審議が必要と考えています。(稲)
〔2005・4・28(木)〕