2005年4月28日(木)「しんぶん赤旗」
安心して年取れない
介護保険改悪法案 衆院委可決に怒り
国民への負担増とサービス抑制を柱にした介護保険改悪法案。審議を通じて法案の欠陥が次々と明らかになったにもかかわらず、二十七日、衆院厚生労働委員会で自民、公明の与党と民主党の賛成によって可決されました。東京・永田町の衆院議員面会所につめかけた人たちからは「これからこそがたたかいだ」との強い決意が聞かれました。
「こんなにすんなり法案を通しちゃって犯罪的だ」。訪問看護ステーションで働く雨間笑子さん(54)は言います。「国民の生活の場を奪うことになるのに、与党や民主党の議員はこのことをどう考えているのでしょうか。安心して年を取ることもできない」と憤ります。
民主党は委員会審議で問題点を指摘してきただけに、東京ほくと医療生協の菅原幸弘さん(45)は賛成した民主党の姿勢に怒ります。「審議をすればするほど法案の根拠が崩れていったのに、こんなにすんなり通るなんて。民主党の議員に抗議のファクスを送るよう地域で呼びかけたい。参議院では裏切りを許さない」と強調しました。
北海道から駆けつけたヘルパーの増田恵さん(37)は、「いまは怒りしかありません」と声を震わせます。「民主党の裏切り行為にがっかり。多くの利用者さんは家事援助サービスを取り上げられたら生きてはいけないと、不安を訴えています。何のための介護保険なんでしょうか。国民のためのものではなくなります」と語りました。
東京都内のヘルパー、水野尾隆子さん(66)は、「このままでは事業者は経営が立ち行かなくなり、ヘルパーもお払い箱になるでしょう」と肩を落としました。「利用者さんの生活はどうなるんでしょう。介護保険サービスが利用できなくなるのなら、別の方法でサービス提供することを考えなくてはと思ってしまいます」とため息まじりに話しました。