2005年5月3日(火)「しんぶん赤旗」

改悪反対の一点で共同を

憲法記念日 市田書記局長の談話


 日本共産党の市田忠義書記局長が三日の憲法記念日にあたって発表した談話は次のとおりです。

 一、日本国民は、憲法改悪をめぐる攻防が重大な局面を迎えているなかで、「戦後六十年」という節目の年の憲法記念日を迎えた。日本共産党は、二千万人のアジアの人びと、三百十万人の日本国民に犠牲を強いた侵略戦争の終結から六十年を経過したいま、わが国があの悲惨な戦争の発火点となった歴史を直視し、「再び侵略の矛先をアジア諸国にむけない」、「『アジアの一員』として、アジア諸国の平和と友好に力をつくす」ことを決意して定めた憲法の平和的民主的原則の意義をあらためてかみしめるものである。

 一、今日、重大なことは、歴史を歪曲(わいきょく)してあの戦争を「正義の戦争」であったかのように美化する勢力が憲法を改定する策動を強めていることである。今日の改憲策動の最大の狙いは、わが国憲法の原則中の原則というべき憲法九条を改変して、わが国を「海外で戦争をする国」につくりかえることである。九条改悪を執拗(しつよう)にもとめているのは、自分の気に入らない国を軍事力で押さえ込む「先制攻撃戦略」を掲げるブッシュ米政権である。九条改悪を許せば、わが国を、アメリカの軍事戦略につき従って、アジアをはじめ地球上のどこにでもでかけて「戦争をする国」にしてしまうことになる。

 一、憲法九条は、わが国が、侵略戦争への反省と痛苦の教訓に立って国際社会にむけて発した「国際公約」というべきものである。いま国際社会では、イラク戦争のような無法な侵略戦争を許さず、国際紛争を粘り強い話し合いで解決するという、わが国の憲法九条が先駆的にさししめした方向への新しい胎動がはじまっている。このときに、わが国が憲法九条を改変することは、「戦争のない世界」をめざす世界の大勢にたいする重大な挑戦となる。これによって喜ぶのはアメリカの戦争派=ブッシュ政権だけであり、アジア諸国をはじめとする国際世論からきびしい批判の声が上がることは必至である。

 一、国会内の勢力関係だけをみれば、自民・民主・公明の改憲勢力が八割近くの議席を占めている。しかし国民世論は、「自衛隊は必要だ」と考えている人びとをふくめ、「海外で戦争をする国」にするための憲法改悪には反対している。昨年六月にわが国の著名な知識人九名が中心となって発足した「九条の会」は、国民的な共感を呼び、同会のアピールに賛同する組織は、発足一年たらずのうちに全国で千五百以上が結成されている。これをはじめ、いま全国津々浦々で、「九条をまもれ」「『海外で戦争をする国』づくりをやめさせよう」の声と運動が、思想・信条、政治的立場、世代の違いをこえて広がりつつある。

 日本共産党は国民のみなさんに、「憲法改悪反対」の一点での共同を心から呼びかけるとともに、国民的多数派の力でこの策動を阻止するたたかいに全力で取り組む決意をあらためて表明する。


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