2005年5月9日(月)「しんぶん赤旗」
イラク議会
未定6閣僚を承認
副首相は依然1人空白
【カイロ=小泉大介】イラク暫定国民議会(定数二百七十五)は八日、四月二十八日に発足した移行政府の空白だった七閣僚のうち、ジャファリ首相が提案した六閣僚を承認しました。組閣完了には依然、副首相一人の人選が残されています。
空白となっていたのは、首相を含む全閣僚三十七のうち、副首相二、石油、国防、電力、鉱工業、人権の合わせて七閣僚。八日に承認されたのは石油相にイスラム教シーア派のウルーム氏、国防相に同スンニ派のドレイミ氏ら六人で、内訳は、シーア派二人、スンニ派四人です。三十六閣僚全体の構成は、シーア派十九人、クルド人九人、スンニ派七人、キリスト教徒一人。
イラクではスンニ派武装勢力による攻撃やテロが激化していますが、今回、スンニ派から四人が閣僚に承認されたこと、治安担当の国防相に同派が就くことが治安情勢の改善に結びつくのかどうか注目されます。
一方、八日の議会承認では、賛成が出席百五十五人のうち百十二人にとどまり、また人権相に承認されたシブリ氏が「私はスンニ派というだけで閣僚に承認された」とのべ就任辞退を表明するなど、混乱の火種は残ったままとなっています。