2005年5月13日(金)「しんぶん赤旗」
過去の侵略戦争とどう向き合うか
戦争終結60周年 不破議長が講演
日本外交の転換へ三つの提案
時局報告会
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日本共産党は十二日夜、東京都内の党本部ビル大会議場で時局報告会を開き、不破哲三議長が「日本外交のゆきづまりをどう打開するか 戦争終結60周年 アジア諸国との最近の関係をめぐって」と題して一時間二十分にわたって講演しました。
過去の侵略戦争にどう向き合うかが日本外交の重大問題になっているなか、これに日本の政党として正面から取り組もうと開かれた報告会。「『つくる会』の教科書が隣町で採用されようとしていて地域で学習会を開くので、不破さんの話をぜひ聞きたくて」(神奈川県在住の五十八歳の女性)など、会場いっぱいの七百人が参加しました。
報告会には、十四カ国十六人の外交団をはじめ、国内外のマスコミ関係者も出席。CS通信やインターネットを通じても、全国各地で多くの人が視聴しました。
「日本外交のゆきづまりの本格的な打開のためには、ゆきづまりの大本になっている過去の戦争の問題について、日本国民として何が問題になっているか本当にとらえ直してみる必要がある」
こう切り出した不破議長は、日本の過去の侵略戦争と植民地支配の実態、それへの戦後政治の対応の問題を明らかにし、いま焦点になっている小泉首相の靖国神社参拝と「歴史教科書」問題の本質を実態を通して深く解明。これはどちらも“日本の戦争の名誉回復”ともいうべき動きと結びついたもので、首相が国際舞台で表明した「反省」の言葉を行動で裏切るものだと指摘しました。
その上で、政府の態度の抜本的転換を抜きにしては日本外交のゆきづまりは打開できないとし、(1)靖国神社参拝を首相の任期中きっぱりやめる(2)「植民地支配と侵略」に対する反省の立場を学校の教科書に誠実かつ真剣に反映させる(3)アジアの近隣諸国と平和の関係を築き、強化するアジア外交の大戦略を打ちたて実行する―を提案。「国民自身が声をあげ、この問題に正面から取り組み、考えよう」と呼びかけました。
三つの提案
第一、小泉首相は任期中、靖国参拝をきっぱりやめること
第二、政府がこの十年来表明してきた「植民地支配と侵略」への反省の立場を、教科書に誠実かつ真剣に反映させること
第三、対アジア外交の平和の大戦略をうちたて実行すること
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■時局報告会の録画映像を見る→(Windows Media Player)