2005年5月17日(火)「しんぶん赤旗」
消費税17%以上に
15年度収支均衡で試算
財政審
財政制度等審議会(財務相の諮問機関)は十六日、高齢化の進展によって増加する社会保障給付費を名目経済成長率程度に抑制しても、二〇一五年時点で国の一般会計の基礎的財政収支(プライマリーバランス)を均衡させるには、消費税換算で最低12%の増税(17%以上への引き上げ)が必要との試算をまとめました。
試算は、歳出削減や増税を行わずに現在の財政構造を放置した場合、一般会計の基礎的財政収支の赤字幅が二〇〇五年度の十五兆九千億円から一五年度には二十四兆九千億円に拡大すると推計。この赤字幅を消費税だけで穴埋めすると仮定すれば、国と地方の消費税収の割合が現在のままなら、最低でも14%の増税(19%以上への引き上げ)が必要になるとしています。同様に二五年度時点では、赤字幅が三十三兆六千億円に達するとし、これを消費税だけで穴埋めするためには、17%相当の増税(22%相当への引き上げ)が必要になるとしています。
一方、社会保障給付にかかわる公費負担は、現状を放置した場合、一五年度で四十三兆五千億円(消費税率換算で14%)に達すると試算。同給付の伸び率を名目経済成長率程度に抑制すると、一五年度の公費負担は三十六兆五千億円(消費税率換算で12%)にとどまるとし、消費税換算で2%相当の抑制効果があるとしました。ただ、この場合でも、基礎的財政収支の赤字を埋めるためには、消費税で最低12%の増税が必要になるとしています。
同審議会の西室泰三分科会長は同日の会合後の記者会見で、この試算が、六月に同審議会がまとめる「財政に関する意見書(建議)の柱になる」と明言。意見書には「消費税を相当パーセント上げなくてはいけないということ(を盛り込むこと)が考えられるが、それだけでも足りないので歳出カットについても検討し、結論を出す」との考えを示しました。