2005年5月20日(金)「しんぶん赤旗」

授業料減免者増える

公立高校 重い納付金

日高教調べ


写真

 日本高等学校教職員組合(日高教、全教加盟)は十九日、「高校生の修学保障に関するアンケート調査」のまとめを発表しました。公立高校の授業料・納付金の父母負担が重くなるもとで、授業料滞納が深刻化し、減額・免除者や奨学金受給者が増えています。

 調査は、日高教加盟の各県組織を通じて二〇〇四年十二月末現在の状況を調べたもの。十八道府県と三政令市の六十五校、十一万一千人余の生徒の実態を反映しています。

 調査によると、〇四年度の公立高校の授業料基準額(地方交付税算定の基準となる単位費用)は三年ぶりに値上げされ、全日制で年額十一万五千二百円(前年度比三千六百円増)、定時制で同三万一千二百円(同千二百円増)。全日制の場合、約半数の都道府県と政令市が基準額より低いものの、十一万円以上の授業料(鳥取県は十万八千円)となっています。

 教科書代、PTA会費、生徒会費など授業料以外の初年度納付金は、全日制で平均二十一万六千円、定時制で同十二万四千円で、授業料の二、三倍。通学費や部活動にかかる費用は含みません。授業料とあわせた初年度納付金の総額は全日制で三十万円を超えます。

 調査は、父母への重い負担を背景に、授業料の滞納が深刻な状況にあることを示しています。全学年を対象とした滞納状況をみると、千二百四十五人で3・39%。全日制が3・08%、定時制が7・64%で、定時制が全日制の二倍以上です。

 家庭の経済状況は困難さを増しており、授業料の減免者数、奨学金受給者が急増しています。

 授業料減免者は、〇二年度が二千五百九十二人(6・96%)、〇三年度が三千三百九十八人(9・07%)、〇四年度が三千九百二十七人(10・68%)で、年を追うごとに数百人増というハイペースです。(グラフ)

 奨学金受給者は、〇二年度が千九十五人(2・94%)、〇三年度が千五百四十九人(4・14%)、〇四年度が千九百九十人(5・41%)で、毎年四百人以上の増加です。

 これらの制度の改善すべき点として「家計収入基準の緩和」(複数回答)をあげた高校の割合は、減免制度で41・5%、奨学金制度で23・1%にのぼっています。

 日高教の工藤毅副委員長は記者会見で、「日本政府は、国際人権規約にある『中等教育、高等教育の無償教育の漸進的導入』を留保している。教育の機会均等の保障と父母の負担軽減のため、無償化を求めるとりくみを強めたい」とのべました。


もどる
日本共産党ホーム「しんぶん赤旗」ご利用にあたって
(c)日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 TEL 03-3403-6111  FAX 03-5474-8358 Mail info@jcp.or.jp