2005年5月25日(水)「しんぶん赤旗」
地方環境事務所って?
〈問い〉 今度つくられる地方環境事務所ってどんなものなのですか? 環境を守るうえで役立ちますか?(静岡・一読者)
〈答え〉 地方環境事務所とは、現行の自然保護事務所と地方環境対策調査官事務所を統合して全国7ブロックに設置する環境省の出先機関です。
自然保護事務所は、全国11カ所に置かれ、野生生物の保護を主な業務とする12の「支所」と、国立公園に関する業務を中心に行う67の自然保護管事務所で構成されています。
地方環境対策調査官事務所は、全国9カ所に置かれ、管轄区域内の環境情報の収集・整理、廃棄物・リサイクル対策、環境教育・環境保全活動及び地球温暖化対策を柱とした業務を行っています。
環境省は今回の統合について、国として軸足を地域に置いた環境施策の展開が求められており、地域の実情に応じて機動的できめ細やかな施策を実施するために行うとしています。
従来の事務所機能と一番違う点は、新しく出来る事務所長には現行事務所が持っていない環境大臣の権限が委任されることです。
その内容は、廃棄物処理法に基づく不法投棄現場への緊急時の立入検査、自然公園法に基づく国立公園内の行為許可、外来生物法に基づく飼養等の許可、各種リサイクル法や公害規制法に基づく緊急時の立入検査、地球温暖化対策の推進等と多岐にわたっています。
新体制は今年10月1日からで、事務所予定位置は札幌市(北海道ブロック=B)、仙台市(東北B)、さいたま市(関東B)、名古屋市(中部B)、大阪市(近畿B)、岡山市(中国四国B)、熊本市(九州B)です。
周辺地域で起こっている不法投棄やその兆候を発見した時、自然公園内の違法開発、大気・水の汚染など公害関係をはじめとした情報提供や、環境にかかわる心配ごとの相談、改善・解決を求めるなど、新事務所長に与えられた権限を行使させることで、地域の環境を守る一つの有効な手段として機能させることが期待されます。(由)
〔2005・5・25(水)〕