2005年6月2日(木)「しんぶん赤旗」
中学の教科書展示会開始
17日からは全国で
来年四月から四年間、中学校で使われる教科書の展示会が一日始まり、十七日からは全国一斉に行われます。展示会後、八月までには全国五百八十三地区(二市郡)で、どの教科書を使うかを決める採択が、各教育委員会などによって行われます。今年は、日本の侵略戦争を正当化する「新しい歴史教科書をつくる会」が、自分たちの作った社会科教科書の10%採択を狙っているだけに、教科書を閲覧して意見を述べるなど採択を許さない草の根の運動が重要になっています。
東京・大田区では一日、区内三つの中学校で教科書展示会(今月末まで)が始まりました。
会場では、社会や国語、数学など、選択対象となっている中学の教科書をすべて展示。「新しい歴史教科書をつくる会」の社会科歴史・公民教科書(扶桑社版)も並んでいます。各社の教科書を見比べ、採択のための調査委員会へ意見を投書することもできます。
「歴史の事実をゆがめ、改憲を誘導する教科書を子どもたちに手渡していいのでしょうか。一人でも多くの人が実際に手にとり、内容を見比べ、意見を伝えてほしい」と展示会への参加を呼びかけるのは、市民団体「公正な教科書採択を求める大田区民の会」共同代表の大坪庄吾さん。「選択要綱には『区民および学校等の意向を十分に配慮する』という項目も設けられています。危険な教科書を採択させないため、市民の監視と運動をつくっていきましょう」といいます。