2005年6月2日(木)「しんぶん赤旗」

国・自治体の住宅政策どこが問題?


〈問い〉 穀田恵二衆院議員が「170万戸不足している公営住宅の建設を優先すべきだ」と追及したと聞いてうれしいです。いまはそれに逆行している感じがしています。共産党は国や自治体の住宅政策をどう考え、どうしようとしているのですか?(東京・一読者)

〈答え〉 最近、国・自治体は公営住宅建設など住宅の直接供給から撤退しています。

 「健康で文化的な生活を営むに足りる住宅を整備」し、「住宅に困窮する低額所得者に対して低廉な家賃で賃貸」(公営住宅法)することを目的とするために整備、管理する公営住宅の建設は60年代後半〜70年代前半は10万戸近くあったのに、03年度は3400戸です。それも東京、大阪のような大都市は既存住宅の建て替えが中心で、新規建設はほとんどありません。

 一方、公営住宅入居希望は増えています。大阪市営住宅の最近10年間(95年〜04年度)の応募倍率は25倍〜30倍です。(同市住宅局資料05年2月)

 「居住の権利」の保障は世界的な流れです。第2回国連人間居住会議は「居住の権利は基本的人権」としたイスタンブール宣言を採択しています。この宣言を踏まえ、日本住宅会議や国民の住まいを守る全国連絡会は、「住居法」の制定を訴えています。

 その柱は、(1)すべての国民が人間らしい住居に住むことは基本的人権、(2)健康で文化的な生活を送るために住宅の広さや居住設備の最低水準を規定した「最低居住水準」の確保は国の責務、(3)住居の維持・供給について国と自治体の責任の明確化、(4)適正な住居費負担、(5)居住の安定と継続を図る定住保障の原則、などです。

 東京都営住宅では、入居基準を低所得階層に限定し(月収23万8千円=02年度末・都住宅局調べ)、26万8千円を超えると「収入超過者」になって家賃が上がるため、住み慣れた住宅を出ざるをえないことになっています。日本共産党は、入居基準を見直し、働きざかりの世帯も入居できるように基準を改善することや収入に見合った支払い可能な家賃にすること、さらには応募希望の多い自治体では公営住宅の建設をすすめることを要求しています。(高)〔2005・6・2(木)〕


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