2005年6月5日(日)「しんぶん赤旗」
自ら語る侵略戦争美化
つくる会
「戦争賛美」と思われないよう、教科書展示会でのアンケートの記入の仕方を文書でよびかけている「新しい歴史教科書をつくる会」。興味を引くのは、その文書のなかで扶桑社版「新しい歴史教科書」の「断然優れている点」を七項目にわたって列挙しているその内容です。
たとえば、「このほど100周年を迎えた日露戦争が近代日本にとってどれほど切実なものであったか、を4ページに亘ってまじめに解説している」という具合です。
歴史観、戦争観は大きな売り物のようで、「先の大戦終結に当たって『戦いを収めることの難しさ』をしっかり説明しているのは『新しい歴史教科書』だけ。昭和天皇の勇気によって国が消滅の一歩手前で存続できた人間ドラマをていねいに紹介しているのは『激動の昭和』を印象づけるのに貴重である」と強調しています。
「日本神話の代表的な話が要領よくまとめられている」ことなどもあげています。
アンケートの記入で「戦争賛美」と思われないよう指南したつもりなのでしょうが、侵略戦争美化の「歴史教科書」の本質が出ているといえます。