2005年6月5日(日)「しんぶん赤旗」

水俣病患者と懇談

「娘に症状隠してきた」

鹿児島・出水 仁比参院議員に苦しみ訴え


 日本共産党国会議員団水俣病問題プロジェクトチーム責任者の仁比聡平参院議員は四日、鹿児島県出水市を訪れ、三カ所で新たに水俣病認定を求めている患者と懇談し、一人ひとりの苦しみ、要望を聞きました。また、水俣病被害者の会全国連絡会の橋口三郎幹事長を訪ね、懇談しました。田村貴昭衆院比例候補(九州沖縄)、松崎真琴県議ら地元の党議員らが参加しました。

 三会場で開かれた懇談には、ことしつくられた不知火患者会出水地区会(中嶋武光会長)の患者たち約百人が「直接話したくて、勇気を振り絞って来ました」と出席しました。

 一人ひとりが、これまで語ってこれなかった苦しみを、重い言葉で語り続けました。

 「体の変調に気付いたとき、家族を残して死んだら、生活はどうなるのか不安だった」「水俣病と思っても、仕事を休むわけにはいかないし、世間体のためどうしてもいいだせなかった」「婚期を迎えた娘がいて、症状を隠してきた」。

 四十代の男性は、「小学生のときから力が入らないし、走ったらよく転んで、いじめられてきた。水俣病じゃないかと思ったが、言えなかった。チッソと国に一生台無しにされた気持ちだ」と訴えました。

 重い症状の息子を持つ女性は「水俣病ではない、いつかはよくなると思い続けてきたが…。一人では生活できない息子のために、せめて生活の保障を」と求めました。

 仁比議員は「初めての私に、苦しみ、実情を聞かせていただき、しっかり受けとめました。最高裁判決後これほど新しい申請が激増しているところに水俣病問題の深刻さが浮きぼりになっている。こんどこそ一人の被害者も置き去りにしないために、国に迫っていきたい」とのべました。


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