2005年6月6日(月)「しんぶん赤旗」
熊本・川辺川
早い安い非ダム案
利水説明会 訴訟原告団訴え
川辺川土地改良事業の新利水計画で、川辺川ダムを水源とする「ダム案」と、ダムを水源としない「六藤堰案」の二つの案の地元農家への説明会が四日から、熊本県多良木町を皮切りにはじまりました。
同事業は、「ダムの水はいらない」と過半数の関係農民が立ちあがり、福岡高裁で一昨年五月、勝訴し、違法との判決が確定。しかし「水を必要とする農民には水を届ける」との立場で、同年六月から、利水訴訟原告・弁護団も参加し、農水省、県、関係自治体、農民らで新たな利水計画づくりをめざした事前協議が繰り返され、二案を農家に提案することになったもの。
総事業費では、ダム案の四百九十億円に対し、六藤堰案三百億円。農家の負担が発生する維持管理費では、ダム案が九千万円に対し六藤堰案一億三千万円となるものの、差額四千万円を県が助成することになり、農家負担は両案とも同額となっています。通水時期はダム案が二〇一五年に対し、一二年と三年早くなっています。
説明会で利水訴訟原告・弁護団は、ダムを水源としない六藤堰案が、早く、税金のムダづかいもなく、水代(維持管理費)はダムと同じであることを示し、「安く、早く、環境にやさしい六藤堰案を選択してほしい」と訴えました。
また、県は、四千万円の補助について、ダムの場合、利水の負担分として県が毎年四千万円の支出をしなければならないことを示し、「農家から見て公平という意味で補助することにした」と説明しました。
説明会は、人吉球磨の六市町村で十二日まで開かれます。