2005年6月8日(水)「しんぶん赤旗」
防音工事 拡大を
米軍横田基地 対象半減は問題
緒方議員
|
防衛施設庁が、米軍横田基地周辺の住宅防音工事の対象区域を五千ヘクタールから二千五百ヘクタールに半減させた問題で、日本共産党の緒方靖夫議員は七日の参院外交防衛委員会で、地元自治体の要望にこたえ、防音工事の対象を拡大するよう求めました。
防衛施設庁は、防音工事対象を「うるささ指数」で75以上(W値)としています。この基準をもとに〇三年度に騒音を調査し、工事対象区域を半減させました。
一方、国が生活環境の保全や健康保護の上で望ましいとしている環境基準は、70W値以下(住宅地)であり、米軍基地を抱える都道府県でつくる全国渉外知事会は、防音工事対象を70W値以上に拡大するよう求めています。
緒方氏は、自治体の要望や、横田基地の周辺自治体による騒音調査で70W値以上の地域が多くあることをあげ、「工事対象を縮小するというが、環境基準を満たしていない場所をどうするのかが問われている」と指摘しました。
山中昭栄防衛施設庁長官は、工事対象の拡大について「将来の検討課題」としつつ、W値が70―75の地域では、「窓を閉めれば、屋内の環境基準レベルの保持が可能」と答弁。緒方氏は「『窓を閉めれば』というが、地元の学校は『音楽の授業もできない』、市民センターでは『会議しても音が聞こえない』というのが現状だ。自治体の要望を受け止めるべきだ」と主張しました。