2005年6月8日(水)「しんぶん赤旗」
母から娘へ継承
ハンドウイルカの 「道具」使用
インド洋に面したオーストラリアの西海岸にあるシャーク湾に生息するハンドウイルカ(バンドウイルカ)の一部で、道具を使って魚を探す方法が母親から娘へ伝えられているらしい―。オーストラリア・ニューサウスウェールズ大学などの研究グループが科学誌『米科学アカデミー紀要』の電子版に七日までに発表しました。
ハンドウイルカが道具として使っているのは、海底にいるカイメンという動物。鼻の先に引っ掛けて、海底の砂の中にいる魚を探すのに使っています。しかし、こうした行動をするのは、同湾にすむハンドウイルカの一部で、しかもほとんど雌に限られています。
研究グループは、カイメンを道具として使うハンドウイルカの遺伝的系統を調べました。調べた百八十五頭のうち、カイメンを道具として使っていたのは十三頭で、遺伝的に非常に近い関係にあることがわかりました。一頭を除いては雌でした。