2005年6月9日(木)「しんぶん赤旗」
郵貯銀行赤字
17年以降の試算なし
衆院郵政特で佐々木議員 ずさんな見通し批判
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民営化が完了した郵便貯金銀行が二〇一七年以降、利ざやが縮小し悪化した場合の経営状態について政府は何の試算もしていないことが、八日の衆院郵政民営化特別委員会で分かりました。
日本共産党の佐々木憲昭議員が六日の同委で、郵貯銀行の赤字が二〇一六年に六百億円だと指摘しましたが、佐々木氏がそれ以降も赤字状態が続くかどうかの試算を求めたのに対し、竹中平蔵郵政民営化担当相は「(六百億円は)五年間の平均値だ」と答えました。
佐々木氏は「そうすると単純に五年間延長すれば郵貯銀行は三千億円の赤字になる。公社のままだと国庫納付金を差し引いても三千四百六十億円の黒字だ」と指摘。それぞれの年度の試算値を出すよう求めました。竹中担当相は「赤字がどう拡大するかの試算はしていない」とのべ、試算することも拒否しました。
佐々木氏は「政府の骨格経営試算に郵貯銀行の経営見通しが含まれているのだから、具体的数値を出さないと審議する意味がない」と批判し、理事会に試算を提出するよう求めました。二階俊博委員長は「理事会で協議する」と答えました。
また佐々木氏は、民営化移行後の情報処理システム関係の金額について竹中担当相が他党議員の質問に「郵政公社と相談して出したい」と答弁したことに対し、「千四百億円とされる費用は骨格経営試算に含まれているのか」とただしました。
竹中担当相は「骨格経営試算に計上しているIT関連費三千億円のなかに含まれる」と答弁。佐々木氏は「それなら具体的な数値を提示すべきだ」と要求しました。