2005年6月16日(木)「しんぶん赤旗」

「よい病院」まで売却

年金・健康保険福祉施設整理法案 衆院委で可決

共産党反対


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質問する山口議員=15日、衆院厚労委

 全国に十ある厚生年金病院などを売却する「年金・健康保険福祉施設整理機構法案」(参院先議)が、十五日の衆院厚生労働委員会で自民、公明の賛成で可決されました。日本共産党、民主党、社民党は反対しました。

 同法案は、社会保険庁による年金保険料の流用や巨大施設への年金積立金投入などへの国民の批判が高まるなか、問題の原因究明は行わずに、全国で三百二十八の福祉施設を五年間で廃止・売却するため、独立行政法人をつくるというもの。リハビリテーションなど優れた医療で地域医療に欠かせない存在の厚生年金病院をふくめ、一括して売却する内容となっています。

 反対討論で日本共産党の山口富男議員は、廃止・売却の対象施設の累積黒字が約五百五十億円にたいし、法案で設立される独立行政法人の経費は五年間で三百億円かかることを示し、「これこそ無駄遣いそのものだ」と批判。厚生年金病院の存続・発展を求めて、自治体、議会、商工、観光界などによる地域ぐるみの運動が起こっていることを紹介し、「住民世論に背を向けたやり方は、国民の健康と福祉を増進させるべき厚生労働行政がとるべき態度ではない」とのべました。

 採決に先立つ質疑で、山口氏は、地域の公的病院では最も多くの人工透析を行っている厚生年金高知リハビリテーション病院、全国に先駆けて「転倒予防教室」を開設した東京厚生年金病院など地域で果たしている役割を強調。

 東京の病院は、厚労省も資金を出している「日本医療機能評価機構」の病院評価では最高点、『日経メディカル』の「よい病院ランキング」で一位の評価(〇四年五月号)を受けていることも紹介しました。

 尾辻秀久厚労相も「長い間の積み重ねで、そういう評価を得ていることに敬意を表する」と認めざるをえませんでした。


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