2005年6月17日(金)「しんぶん赤旗」
「過剰介護」で悪化なし
小池氏、調査結果示し追及
参院委
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介護度が軽い高齢者の状態が悪化した最大の要因は病気で、厚生労働省のいう「過剰な介護」によるものは一例もない――日本共産党の小池晃議員は十六日の参院厚生労働委員会で、こんな調査結果を紹介。「過剰な介護」が悪化の原因だとして家事サービスを制限しようとする、介護保険改悪法案の説明は成り立たないと追及しました。
小池氏が示したのは、NPO法人地域保健研究会がまとめた「軽度要介護高齢者の介護度重度化要因調査研究報告書」。東京都内のある市で二〇〇〇年四月に要支援か要介護1だった人のうち、〇二年十月に介護度が重度化した百人を調査したものです。
それによると、悪化の原因で最も多かったのは脳血管障害やがんなどの疾患。次が認知症でした(グラフ)。厚労省が悪化の原因だとしている「過剰な家事援助」も調査項目にしていましたが、実際には該当者が一人もいませんでした。
疾患に対応するのは医療で、認知症も「新予防給付」の対象には含まれていません。小池氏は、「今回の新予防給付では介護度の維持・改善には役立たないのではないか」とただしました。
厚労省の中村秀一老健局長は「この調査結果をただちに普遍化するのは一定の制約がある」と答弁。小池氏が「軽度者の悪化の原因を調べた研究が他にあるのか」とただすと、中村局長は「ただちには思い浮かばない」と答えざるをえませんでした。
小池氏は「結局、介護予防を隠れみのにして軽度者の給付を抑制するというのが、制度改悪の本質だ」と指摘しました。