2005年6月18日(土)「しんぶん赤旗」

歴史学関係者

「つくる会」教科書批判アピール

賛同者1000人超す


 荒井信一・駿河台大学名誉教授らが四月に発表した「新しい歴史教科書をつくる会」の教科書を批判する歴史研究者・教育者のアピールにたいする賛同者が千人を超えました。荒井氏らが十七日、都内で記者会見して発表しました。

 アピールは「歴史の事実をゆがめる『教科書』に歴史教育をゆだねることはできない」とし、「つくる会」教科書は日本のやった戦争を美化する歴史認識を若者に注入しようとするものだと指摘。これが教室に持ちこまれことは「かつての独善的で排外的な歴史教育の復活に道を開くもの」だと批判しています。

 四月二十五日に六十二人が呼びかけ人となって発表し、各地で賛同者を募ってきました。六月十日までに元東京学芸大学長の阿部猛氏ら九百八十一人が新たな賛同者となり、合わせて千四十三人になりました。

 十七日の会見には荒井氏のほか、石山久男・歴史教育者協議会委員長、小澤浩・元富山大学長、西川正雄・東京大名誉教授、浜林正夫・一橋大名誉教授、峰岸純夫・都立大名誉教授らが出席。

 小澤氏は「私はあまりこのようなところに出てくる人間ではないが、『つくる会』の教科書は許せない」とし、戦時中に強制労働させられた韓国の女性たちに会って体験を聞いたことを紹介。「そうした事実に目をふさぎ、間違った歴史が教えられることはたえられない」と語りました。

 峰岸氏は「つくる会」教科書をみると自分が子ども時代に使った教科書を思い出すと語り、「軍国少年をふたたびつくる、『お国のために死ね』という教育効果を持つ、危険なもの」とのべました。


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