2005年6月20日(月)「しんぶん赤旗」
「沖縄戦」の真実は
教科書からの削除要求に抗議
緊急シンポ開く
一部の学者らが沖縄戦の実態をゆがめる運動を強めるなか、沖縄県教職員組合や県歴教協など八団体が呼びかけた緊急シンポジウム「軍隊が支配する世界」―沖縄戦の「真実」にせまる―が十九日、沖縄・那覇市で開かれ、学生や市民ら約百二十人が参加しました。
沖縄国際大学名誉教授の安仁屋政昭さん、琉球大学講師の山口剛史さんがそれぞれ報告し、その後、参加者を交えて活発な討論が行われました。
シンポは「新しい歴史教科書をつくる会」の藤岡信勝副会長が代表を務める「自由主義史観研究会」が、沖縄戦の「集団自決」に軍命はなく、教科書の記述を削除するよう求める運動をはじめたことに抗議し、歴史の真実を子どもたちに伝えようと行われたものです。
安仁屋さんは、沖縄戦のとき、南西諸島は完全に米軍に制海権と制空権を押さえられた孤立無援の戦場であり、軍事用語でいう「合囲地境(ごういちきょう)」の状態で民政はなかったと指摘。
そのもとで軍が行政・司法権を統制下におき、住民はたとえ市町村職員の指示であっても、すべてが「軍命」として受け止める状況であったとのべ、研究者が積み重ねてきた歴史の真実を否定する藤岡氏らの運動を厳しく批判しました。