2005年6月22日(水)「しんぶん赤旗」

社会保障切り捨てと大増税

国民犠牲 許されない

政府「骨太方針」・税調報告 小池政策委員長が談話


 一、本日、経済財政諮問会議が「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2005(骨太方針)」を策定し、政府はこれを閣議決定した。また、政府税制調査会は、「個人所得課税に関する論点整理」と題する報告を発表した。

 この二つの文書は、これまで以上の社会保障の切り捨てに加え、消費税と所得税・住民税の大増税を進めることを打ち出したものであり、国民に耐え難い痛みをもたらしてきた小泉内閣の悪政を、さらに推進する内容となっている。

 一、「骨太方針」では、社会保障給付費の伸びについて、本来、社会保障とは関係のない経済動向などに「留意」して抑制するとしている。これは、ヨーロッパ諸国と比べてもはるかに劣悪な日本の社会保障水準のいっそうの切り捨てをはかるものである。

 とりわけ医療分野が、その抑制の対象とされていることは、「景気が悪くなれば生命を切り捨てる」ものであり、とうてい容認できない。

 一、「骨太方針」は財政問題では、今後一年以内に「歳出・歳入一体改革」の選択肢と改革工程を明らかにするとしているが、「税制改革」については、消費税増税を含む「税体系の抜本的改革を実現する」とした与党税制改正大綱を踏まえて、「結論を得る」としている。これは、今後一年以内に消費税大増税の具体化に着手することを宣言したものであり、きわめて重大である。

 一、政府税調の「報告」は、「所得税の復権」と称して、所得税・住民税の抜本改悪の方針を打ち出した。給与所得控除の縮小は、かりに規模を半減しただけでも五兆円もの大増税となり、サラリーマン世帯を直撃する。定率減税の全廃、扶養控除や特定扶養控除、配偶者控除の縮小・廃止など、税調の「報告」は、庶民への増税のオンパレードである。唯一の減税ともいえる「子育て減税」も、こうした庶民大増税とセットでは、効果はまったく期待できない。

 一方、引き下げられた最高税率や、配当や株式売却益減税など、「金持ち減税」にはまったく手をつけようとしていない。大企業への減税を改めることについては検討の対象にすらしていない。

 一、このような国民に限りなく犠牲を強いる「方針」や「報告」を実行に移すことは、断じて許されない。経済政策を国民生活重視の方向に転換し、公共事業や軍事費の浪費にメスを入れること、大企業・金持ち減税を元に戻すことなど、歳出・歳入の改革を行えば、庶民増税に頼らず、社会保障に必要な財源を確保することは可能である。

 日本共産党は、大増税・大負担増路線に反対し、経済財政運営の転換をつよく求める。


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