2005年6月22日(水)「しんぶん赤旗」

日韓首脳会談“歴史問題で合意なし”

靖国参拝中止しない小泉首相に批判

韓国の反応


 二十日にソウルで行われた日韓首脳会談は、第二期の歴史共同研究委員会を発足させることと、新たな追悼施設建設を検討するという「二つの非常に低い水準の合意」(盧武鉉・韓国大統領)以外は、歴史問題での認識の違いを改めて確認して終わりました。韓国では、責任は靖国神社参拝を中止しない小泉首相にあるとの声がほとんどです。

 大統領府の丁宇聲(チョン・ウソン)外交補佐官は二十一日、ラジオ番組で「小泉首相の謝罪というか、遺憾表明については十分に受け入れる」と一定の評価をした上で、「しかしこれが今後、どのように行動として表れるか、その謝罪に見合った措置や行動があるのかということを見守らなければならない」と語りました。

 与党「開かれたウリ党」は「言葉通りに低い水準の合意にとどまった」とする一方、両首脳が率直に意見交換したことに「注目する」と表明。「直ちに大きな成果を期待するのは難しいが、今後、両国間の相互理解と配慮に基づいた両国関係発展の礎になることを期待する。日本は両国間の根本的な関係改善のための努力をおろそかにしないでほしい」と、会談の意義を強調しました。

 最大野党のハンナラ党は「このままでは盧武鉉政権で韓日関係の正常化はますます難しくなる。盧武鉉大統領は会談前、歴史と独島(竹島)問題について納得できる成果を得るかのように語ったが、両国間の認識の差を確認しただけだ」と、盧大統領の姿勢を批判しています。一方、第二野党の民主労働党は小泉首相に対し「北東アジアの平和共同体のための代案を模索すべきだ」と求めました。

 太平洋戦争犠牲者遺族会は、日本による謝罪と賠償問題が論議されなかったことに強い不満を示しました。

 日刊紙・中央日報の二十一日付社説は「核心的な議題は北朝鮮の核問題と歴史問題だった」とし、「その影響は韓日両国間にとどまらない。北東アジア情勢全体と絡み合っている」と指摘。「日本の姿勢が変わらなければ、今後も北東アジアにおける日本の役割は制限されざるをえない」と警告し、「小泉首相の勇気と決断を求める」と靖国参拝の中止を促しました。

 ソウル新聞二十一日付の社説は、最近の世論調査で「植民地支配を経験した世代より二十代が日本を否定的に見ている」と指摘し、「両国関係が真の未来に進むためには、小泉首相の歴史認識が変わらなければならない」と強調しました。

 尹炳世(ユン・ビョンセ)国家安全保障会議(NSC)政策調整室長は二十一日、ラジオ番組で、「韓日歴史首脳会談と言えるほど歴史問題が集中的に論議された。夕食会は重い雰囲気のなかで進行した」と、会談後の夕食会でも歴史問題に話題が集中したことを紹介。「われわれが伝えたメッセージを、小泉首相をはじめ日本政府関係者は重く受け止めたと信じている」と語りました。


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