2005年6月24日(金)「しんぶん赤旗」
郵便局
国民の満足度では1位なぜ民営化なのか疑問
佐々木議員がCSに出演
日本共産党の佐々木憲昭衆院議員は二十三日、CSテレビ「朝日ニュースター」の「各党は今」に出演し、郵政民営化法案、先に小泉内閣が閣議決定した「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2005(骨太方針)」などについて、朝日新聞の梶本章論説委員のインタビューに答えました。
法案成立にむけ与党が国会の会期延長まで強行した郵政民営化について、佐々木氏は、国民の関心は低く、郵政事業への満足度も高いと、政府の資料を示しました。
政府の郵政民営化推進委員会の内部資料で、二十四のサービス事業の満足度を調査したもの。それによると郵便局が百三十二ポイントでダントツで一位になっていることを紹介。一方満足度の低いものは、損害保険、無店舗販売クレジットカード、地方自治体サービスなどで、最下位は生命保険でした。
佐々木氏は「郵便局に不満が集まっているわけではない。なぜ民営化か、国民のあいだでは疑問の方が強い」と指摘しました。
佐々木氏はこの間の衆院郵政特別委員会の論戦を通じ、郵貯が民営化された場合、十年後には六百億円の赤字を出す一方、公社のままなら逆に千三百八十億円の黒字になることを政府が答弁したことをあげ、「民営化は郵貯を赤字にするためのものだ」と強調しました。
さらに政府が、民営化によって「利益のでる可能性のある」という新規事業は、投機的運用などで大きな損害を出す可能性のある危険きわまりないものであることを指摘。「国民はもうけは少なくても安全、堅実に運用してもらうことを望んでいる。民営化は郵貯を弱肉強食の危険にさらすもので、投資会社や日米の金融資本に食い荒らされ、国民の安心が破壊される」と批判しました。
「骨太方針」が、経済動向に合わせて社会保障給付費や医療費の伸びを抑制することを打ち出したことについて、佐々木氏は「本末転倒の議論だ」と批判しました。
「景気が悪くなったら国民の命を削れということであり、こんな発想自体が根本的に間違っている。いま大事なのは国民の命を守るために何が必要かをベースに考えることだ」と指摘。「『骨太方針』では国民負担をどんどん増やすことは一生懸命書いている。国民のくらし、医療を守ろうという立場にたっていない」と厳しく批判しました。