2005年6月25日(土)「しんぶん赤旗」
米国防長官
イラク撤退を否定
上院公聴会 議員から辞任要求
【ワシントン=山崎伸治】イラク暫定政権への主権移譲から一年(二十八日)を目前にした二十三日、米上院軍事委員会はイラクにおける軍事戦略と軍事活動に関する公聴会を開きました。下院では来年十月一日までの撤退を求める決議案が提出されていますが、同公聴会では、撤退時期など今後のイラク占領について明確な見通しを示さないラムズフェルド国防長官に対し、議員から辞任を求める声があがりました。
公聴会ではラムズフェルド長官のほか、マイヤーズ統合参謀本部議長、ケイシー・イラク多国籍軍司令官らが証言。
ラムズフェルド氏は、一月の総選挙時には十六万人だった駐留米軍が現在、十四万人弱に減り、その任務もイラク治安部隊の訓練が中心になっていると発言。「議会は撤退の期限を決めるべきか」と自問し、「そんなことをすればテロリストに命綱を投げ渡すことになる」と否定しました。
ケイシー氏はイラク国内の武装勢力について、「悲観的に見ても、イラクの人口の0・1%にすぎない。十八県のうち十四県では、武力事件の発生は一日平均三件に満たない」とのべました。
これに対し民主党のケネディ議員は、「この戦争は終始一貫、総じてやりそこなってきた。いまや手におえない泥沼に入っているようだ。兵士の死亡が続き、終わりは見えない」と指摘、ラムズフェルド氏の責任を追及、辞任を迫りました。
ラムズフェルド氏は「私は二度、大統領に辞任を申し入れたが、受け入れなかった」とのべ、辞任を拒否しました。