2005年6月28日(火)「しんぶん赤旗」
BSE
「米の検査は不十分」
紙議員に調査会座長代理が答弁
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米国で二頭目のBSE(牛海綿状脳症)発生が確認されたなか二十七日、参院農林水産委員会の集中審議が開かれました。米国産牛肉輸入再開の諮問を審議している内閣府食品安全委員会プリオン専門調査会の金子清俊座長代理は、日本共産党の紙智子参院議員の質問に答え、米国のBSE検査は「不十分」で、「答申不可能」の可能性もある、という見解を示しました。
米国では日本やヨーロッパのような牛の個体識別システムがなく、出生地や月齢をつかめません。しかし、政府は、科学的根拠のない識別により、「二十カ月齢以下」と判定される米国産牛肉についてのリスク評価を諮問しています。
紙議員は、米国式のBSE検査はずさんなもので「BSE汚染度の評価が正確にできるのか疑問がある」と指摘しました。参考人として出席した金子座長代理は、「検査は不十分だ。牛の頭数も少ない」とのべ、米国内のBSEの広がりの「正確な把握は不十分なままではできない」と答えました。
さらに紙議員が「必要な検証データがそろわない場合、答申不可能ということもありうるか」と質問。金子座長代理は「断定的なことはいえない」としながら、「おっしゃるとおりで、現時点で(答申不能の)可能性はゼロではない」とのべました。
紙議員は、「(月齢識別もできない)実効性のない架空の条件で諮問すべきではない」と、政府の食品安全委員会へのリスク(危険度)評価諮問の撤回を強くもとめました。また、紙議員は、昨年十月二十三日の日米合意で「十分に強固な食品安全システムを有しており、少数の追加的なBSEの事例が確認されても、科学的な根拠がなければ輸入停止」などしないと確認していることは、誤りで見直すべきだと要求しました。