2005年6月29日(水)「しんぶん赤旗」
介護保険料
20歳からの徴収も
政府に検討会 自公民の提案受け着手
厚生労働省は、介護保険の保険料徴収年齢(現在四十歳以上)の引き下げを含む「範囲拡大」について、近く政府内に検討の場を設けることにしています。二〇〇六年度末までに結論を出す方針です。
介護保険の対象年齢引き下げについては、自民、公明、民主の三党共同提案の改悪介護保険法・付帯決議に、「(保険料負担・サービス利用年齢の)範囲の拡大も含めて検討」と明記されました。尾辻秀久厚労相は、結論を急ぐよう求める民主党の質問にたいし「(改悪介護保険法の)成立後できるだけ速やかに人選に着手し、議論を開始したい」と答弁しています。
「範囲拡大」は、介護保険のサービス利用年齢(現行は六十五歳以上が基本)の引き下げ(普遍化)を名目に、保険料徴収年齢も最大で二十歳まで引き下げることを検討しています。保険料収入を増やすねらいがあります。
これと併せて、介護保険と障害者福祉のサービスの提供に必要な統合が厚労省内で検討されてきました。
衆院で審議中の障害者「自立支援」法案には、ヘルパー利用などの「介護給付」にたいして原則一割の利用者負担を導入。介護保険と同じ一割負担にして、制度的に統合できる条件がもりこまれています。厚労省は、介護保険との統合で若年障害者も介護サービスを利用できるようにすることを、保険料徴収年齢の引き下げの口実に利用しようとしています。
同省は「自立支援」法案をめぐる関係者の動きなどを見ながら、早ければ七月以降に具体的な検討の場の設置に着手したい考えです。