2005年7月2日(土)「しんぶん赤旗」
淀川水系
2ダムの建設中止
国交省決定 国直轄では全国初
国土交通省近畿地方整備局は一日、工事中の淀川水系五ダムのうち、大戸川ダム(大津市)と余野川ダム(大阪府箕面市)について、「当面実施しない」と事業の中止を決めました。国直轄のダムの工事中止は全国初。
両ダム事業とも、利水者の大阪府、京都府、大津市(大戸川ダム)、箕面市、阪神水道企業団(余野川ダム)が撤退の見込み。このため、「治水単独目的の事業となることで治水分の事業費が増加し経済的にも不利になる」というのが中止の理由です。
丹生ダム(滋賀県余呉町)、天ケ瀬ダム再開発(京都府宇治市)、川上ダム(三重県伊賀市)の三ダムについては、治水面で「緊急性が高い」などの理由で「実施」する方針です。
五つのダムについては、ことし五月にも、日本共産党として「水あまりが顕著で、事業継続は税金のムダ遣いになる」として事業の中止を求めました。
■遅すぎる決定
「びわ湖の水と環境を守る会」の事務局長の西田清さんの話 大戸川の中止は遅すぎる決定です。また丹生ダムは全部中止すべきです。淀川水系の過大な利水計画、水資源開発が破たんしたことを示すものです