2005年7月3日(日)「しんぶん赤旗」
都議選最終日 志位委員長の訴え(要旨)
東京都議選最終日の二日、日本共産党の志位和夫委員長がおこなった演説(要旨)を紹介します。
■サラリーマン大増税ストップの審判を
いよいよ明日は投票日です。大激戦、大接戦となっています。日本共産党の候補者をみなさんのご支援で、必ずおしあげてください。
選挙戦の終盤にきて、サラリーマン大増税の問題が熱い争点の一つになってきました。六月二十一日に政府税制調査会が打ち出したものですが、あまりの内容のひどさに、日本列島に衝撃が広がっています。
この計画では、所得税・住民税について、まず定率減税を廃止、そのうえ配偶者控除、扶養控除、給与所得控除など各種控除を、廃止・縮小するというのです。
そのうえ、同時並行で、消費税増税の計画がすすめられています。二ケタ税率になれば、所得税・住民税増税とあわせて、なんと二十四兆円もの巨額増税です。年収五百万円のサラリーマン世帯で、五十五万円もの大増税となります。
各種控除というのは、衣食住など最低生活費には税金をかけないという考えでつくったものです。それを取り払うのは、憲法に保障された生存権を破壊する暴挙です。絶対に許すわけにはいきません。
政府税調と二人三脚で増税へのレールを敷いてきた自民・公明は、大慌てです。「タイミングが悪い」といっています。しかし、悪いのは「タイミング」でなく「中身」ではありませんか。
民主党は「大増税に審判を」などといっています。しかし、消費税増税のリード役を果たしてきたのが民主党です。所得税についても「控除主義を改めよ」と、控除廃止の具体的提案までおこない、増税の旗振りをやってきたのが民主党です。その党が選挙になると「大増税に審判を」などというのは、都民だましの許されない態度ではないでしょうか。
日本共産党への一票こそ、大増税にストップをかけるいちばんたしかな力です。自公民増税連合に審判をくだし、サラリーマン大増税にストップをかけようではありませんか。
■東京都政に「福祉の心」をとりもどそう
国からこういう都民いじめの悪い政治がおしよせている時こそ、自治体の出番です。ところが石原都政がやってきたことは、冷たい政治のおいうちでした。
石原都政のもとで、福祉予算が一割も削られました。中小企業予算は三割も削られました。シルバーパスが全面有料化されました。マル福とよばれるお年寄りの医療費助成制度が切り捨てられようとしています。寝たきりのお年寄りへの介護手当がバッサリと廃止されました。
この責任はだれにあるのか。もちろん石原知事の責任は重大です。同時に、自民、民主、公明、生活者ネットが、そろって石原都政の与党――「オール与党」となり、「福祉削れ」の大合唱をおこなってきた。その責任はたいへん重いのではないでしょうか。こういう勢力に都政を託すことはできません。
革新都政時代に、都民のみなさんが築いた福祉の制度には、「心」がこめられていました。日本共産党をのばして、都政に「福祉の心」をとりもどしましょう。削られた福祉を復活させましょう。三十人学級の実現、子どもの医療費無料制度の拡充をかちとりましょう。中小企業予算を二倍にし、低利の融資と仕事を保障させましょう。都民のだれもが安心し、希望をもって暮らせる東京を、ごいっしょに築こうではありませんか。
■無駄遣いをきっぱり断ち切って、暮らしと福祉第一に
東京都の予算は、年間六兆円。「臨海」開発などの無駄遣いをきっぱり断ち切って、税金の使い道を暮らしと福祉第一に変えれば、大きな展望が開けてきます。
海外視察の名目での豪華税金旅行は、この選挙の大きな争点となりました。しかし、自民、公明、民主からは、居直りだけで、何の反省の声も聞こえてきませんでした。それならば、都民のきびしい審判によって、この無駄遣いもきっぱり中止に追い込もうではありませんか。
大激戦です。選挙は、最後の最後まで力をつくしたものが、勝利をつかみとることができます。ご支持の輪を広げ、共産党を勝たせてください。最後までのご支援を心からお願いします。