2005年7月4日(月)「しんぶん赤旗」
BSE対策
「いっそう厳密に」
2頭目の発見で米紙社説
【ワシントン=山崎伸治】米国で二例目のBSE(牛海綿状脳症)感染牛が発見された問題について、米紙ニューヨーク・タイムズは一日付の社説で、米政府の対策に「必要なのはいっそうの厳密さと包括性だ」と批判しました。
同紙は、問題の牛がいったんは国内で検査され、七カ月後に英国での検査で感染牛だと判定されたことや、脳の組織をきちんと保管していなかったなどの失態を指摘。ジョハンズ農務長官が「機能しており改善されている」と主張する「検査システムは機能していない」と批判しました。
また、同長官が記者会見で「私はきょうの昼食も牛肉を食べた」と発言したことをとらえ、「米国産牛肉の販売を促進するなら、昼食に食べたと自慢するよりも安全性を保障することだ」と述べています。
同紙は、米産牛の輸入を禁止する措置が国際的に広がっていることをあげ、「この混乱の収拾策はただ一つだ。より容易な追跡調査ができるように全米のすべての牛を識別するシステムを確立して、一頭ごとに検査することだ」と指摘しています。