2005年7月5日(火)「しんぶん赤旗」
イラク
住民の犠牲拡大
米軍が大規模軍事攻撃
【カイロ=小泉大介】イラク各地で実施されている米軍の大規模軍事攻撃の住民被害が拡大しています。
ロンドンに本部を置く汎アラブ通信社クドス・プレスが三日伝えたところによると、同軍は中部バクバ近郊の町ボフロズを一週間にわたって包囲し、激しい銃撃と家宅捜索で民間人多数を死傷させ約五十人を拘束しました。
現地の医療関係者は、封鎖の影響で住民の健康状態が極めて深刻な状態となっていると述べ、犠牲者の拡大を危ぐしています。
米軍は西部ヒート近郊では千人の部隊を動員、六月二十八日以降は「剣作戦」を実施しています。クドス・プレスは二日、病院関係者の証言として、同地の病院に二十九日に女性や子どもを含む九人の遺体と四十人の負傷者が運ばれたと伝えました。
がれきとなった民家の下には現在も住民の遺体数体が放置されたままとされます。米軍は二十九日、病院にも押し入り院長を拘束しました。
一方、先月末以来、米軍による民間人射殺事件が相次いでいる問題で、イラク移行政府のクッバ報道官は三日、「ジャファリ首相が高いレベルで問題にすることになる」と述べ、政府として米軍に抗議する意思を表明しました。