2005年7月7日(木)「しんぶん赤旗」
生活安全条例どう考える?
〈問い〉 各地の自治体で「生活安全条例」が警察の要請で制定されています。地方紙も危ぐしており、私も不安です。日本共産党はどうお考えですか?(長野・一読者)
〈答え〉 全国の地方自治体に「生活安全条例」が広がりつつあります。
生活安全条例の中身は自治体によって違いがありますが、犯罪防止のために地方自治体、警察、事業者、住民などの連携した活動を推進することを目的として、自治体には安全なまちづくりの総合的施策を推進する責務、住民と事業者には自らの安全確保と安全なまちづくりを推進するよう努める責務をうたっているのが共通しています。
なかには、路上での禁煙(東京・千代田区)、飼育している犬の糞を公共の場所に放置することの禁止(東京・杉並区)、鉄パイプやバットなどの棒状のものを、本来の用途以外で携帯することの禁止(大阪府)を定め、違反すれば犯罪となるところもあります。
これらの条例の多くは、防犯協会が市町村に陳情したり、警察が都道府県や市町村に要請したりして制定されています。
条例が制定された多くのところで、これまで以上に防犯パトロール活動への参加が要請されるようになり、商店街や共同住宅などへの防犯カメラの設置がすすんでいます。
住民の安全の確保と防犯のうえで、自治体の総合的な施策や住民の防犯活動が適切に行われることは当然です。
同時に、生活安全条例をめぐって、さまざま危ぐがあることもよく見る必要があります。
たとえば、(1)軽微なマナー違反を取り締まるのがよいのか(2)防犯パトロールや防犯カメラの設置が、住民をいたずらに「不審者」にするということになっていないか、(3)住民の自主的な日常の地域コミュニティーづくりの障害にならないか―などです。犯罪の予防と検挙は警察の責務ですが、警察が正当な政治・選挙活動であるビラ配布の取り締まりなどを優先したり、不祥事が頻発し、住民の警察への信頼が損なわれているなかだけになおさらです。(岡)
〔2005・7・7(木)〕