2005年7月8日(金)「しんぶん赤旗」
G8
首脳そろってテロ非難
温暖化声明 数値目標盛らず
【グレンイーグルズ=山崎伸治】英国のグレンイーグルズで開かれているG8サミット(主要国首脳会議)は七日午前(日本時間同日夕)の首脳会議で実質的な討議を開始しました。ロンドンで同日朝起きた連続爆破事件について、八首脳がそろってテロを非難する声明を発表しました。
午前の首脳会議の冒頭、ブレア首相が事件の状況について報告。予定していた世界経済と気候変動についての議論に移りました。そのなかでブレア氏が再度、事件について触れ、「市民の生活やG8サミットを混乱に陥れようとするものだ。テロに屈してはならない」と強調。これに対し、各国首脳が犠牲者へのお見舞いをのべるとともに、ブレア氏にロンドンにもどって事態に対応するよう進言し、当面、代理議長のもとで、サミットを予定通り継続することになりました。
午前中の会議ではテーマに沿って、各首脳が貿易や石油問題、気候変動について意見を表明。ブレア氏が今回のサミットの主要議題と位置づけた気候変動問題では、ブッシュ米大統領が温室効果ガス排出削減の数値目標を明示することに、サミット前から強硬に反対し、会議を受けて発表される気候変動に関する声明には盛り込まれない見通しです。
一方、同声明では、全地球的規模でのエネルギー需要が今後も拡大し、温室効果ガスの排出が著しく増大化する可能性があることを指摘し、温暖化の要因が「人間の活動」にあることを確認することになる見込み。この問題は米国が受け入れに難色を示してきたものです。
G8首脳会議に続いて、新興経済諸国(ブラジル、中国、インド、南アフリカ、メキシコ)首脳らも加わる会合をおこない、同日夕(日本時間八日未明)には再び、G8首脳が中東などの地域情勢をテーマに議論。日本政府としては、その場で北朝鮮問題や国連改革問題を提起する予定です。