2005年7月9日(土)「しんぶん赤旗」
「つくる会」教科書
不採択求め要望書
東京・豊島区へ ソウルの友好都市
韓国ソウル市にある東大門(トンデモン)区が友好都市協定を結んでいる東京都豊島区へ、日本の侵略戦争を美化した「新しい歴史教科書をつくる会」の教科書の不採択を求める要望書を提出していたことが八日までに分かりました。
要望書は東大門区議会議長と二十五人の議員が連名で、豊島区議会の副島健議長にあてたもの。「つくる会」の教科書は「歴史の事実を歪曲(わいきょく)して」おり、豊島区内の中学校で使われることによって「この間に築かれた両都市の友好が損なわれる」と強い懸念を示しています。
両区は二〇〇二年五月に友好都市となり、交流を続けてきました。要望書では、「両国と国民間の真の善隣と友好は正しい歴史の土台があってこそ可能だ」と訴えています。
豊島区議会は議長名で東大門区にあて、「公平公正な立場で調査を行い、適切な教科書選定がなされるものと認識している」とした回答を送付しました。
八日の子ども文教委員会で、日本共産党の垣内信行議員が教科書採択によって両都市の友好が損なうことがないよう求めたのに対して、日高芳一教育長は「そう認識している」と答えました。
教科書採択をめぐって豊島区は二月の議会で「つくる会」の主張にそった陳情を自民、公明、民主の賛成多数で採択。八日の子ども文教委員会で「つくる会」教科書の採択反対を求める陳情について、日本共産党が採択するよう求めましたが、継続審議となりました。