2005年7月12日(火)「しんぶん赤旗」
憲法、教科書採択問題など
共同の運動を提起
教育基本法全国ネット
教育基本法を守り生かす運動をしている「子どもたちを大切に…いまこそ生かそう教育基本法」全国ネットワークは十日、憲法・教育基本法・教科書問題をテーマにした学習会と拡大世話人会を開きました。
石山久男・歴史教育者協議会委員長が侵略戦争を正当化する「新しい歴史教科書をつくる会」について報告。自民党が前面に出て「つくる会」の教科書を採択させる運動をしていると指摘し、「教科書の内容も子どもを改憲に誘導するものだが、採択の運動も憲法・教育基本法の改悪と一体となっている」とのべました。同時に「つくる会」教科書の内容を知らせるパンフレット(子どもと教科書全国ネット21発行)が三十五万部普及されるなど、各地で採択阻止の運動が広がっていることを紹介しました。
浜林正夫・一橋大名誉教授は自民党新憲法起草委員会が七日に発表した改憲要綱案について報告しました。憲法前文が「再び戦争の惨禍が起ることのないやうに…」とのべているのに対し、要綱案は「日本の国土、自然、歴史、文化など…国民が誇りうる前文とする」としていて、「戦争の反省がなくなってしまっている」と指摘。「自衛軍」の保持を明記し、「国家の安全と社会秩序を維持する」ためとして国民の人権を制限しようとしていると語りました。
引き続き開かれた拡大世話人会で山田功・同ネットワーク事務局長は、各地で教育基本法の改悪に反対する集会を成功させるなど運動の広がりによって、与党が改悪法案の提出をいまだにできないところまで追い込んできていると強調。憲法・教育基本法・教科書の三つの課題を重ねて、共同の運動をさらに広げることを提起しました。