2005年7月13日(水)「しんぶん赤旗」
難民審査参与員制度って?
〈問い〉 難民審査参与員制度がスタートしたと知りました。どんな制度ですか。日本共産党はどう考えますか?(埼玉・一読者)
〈答え〉 難民審査参与員制度は、5月に施行された改正入管難民法によって導入されました。従来、難民認定は、1次審査も異議申し立ての審査も法務省が単独で行っており、国内外から法務省とは独立の機関による審査が必要と批判されてきました。
参与員制度は、第三者を難民認定に関与させることで手続きの透明性を高めることが目的です。1次審査で難民と認められなかった人が異議を申し立てた場合、これまでは法相単独で異議の採否について判断していましたが、新たに法相に参与員の意見を聴く事を義務づけました。参与員は3人一組で本人から直接事情を聞き意見書を作成します。
日本共産党は、難民審査参与員について、法相からの独立性の点で不十分ではありますが、重要な改善であるとして改正入管法に賛成しました。
この5月に19人の難民審査参与員が任命され制度がスタートしました。しかし、その運用について全国難民弁護団連絡会議をはじめとする難民支援団体から、(1)1次審査の不認定理由が具体的でないため、なぜ不認定になったのかわからないまま異議申し立てを行わなくてはならない、(2)これまで数日かけて面接審査が行われていたが参与員制度では基本は1時間となり、事情を説明しきれないなど、さまざまな問題点が指摘されています。
法務省は批判に対して、面接審査の時間を30分延長し、回数も必要があれば1回だけでなく2回、3回と行うなどの手直しをせざるを得ませんでしたが、十分とは言えません。またアムネスティなど二十数団体が共同推薦した人が参与員に選ばれないなど選考過程の不透明さも解決されたとは言えません。
国際的な批判を受けてきた難民行政を改善するための難民審査参与員制度を実効あるものにするため引き続き監視をしていく必要があります。(岩)
〔2005・7・13(水)〕