2005年7月15日(金)「しんぶん赤旗」
米国式BSE検査に疑問
データ不足浮き彫り
専門調査会
米国・カナダ産牛肉の輸入再開にむけた政府の諮問を審議するため十四日開かれた内閣府食品安全委員会のプリオン専門調査会(座長・吉川泰弘東大教授)で、米国のBSE(牛海綿状脳症)汚染評価にかかわる抜き取り検査の信頼性に疑問が続出しました。
審議では、全頭検査をせず歩行困難牛だけを抜き取り検査する米国式の検査を日本に適用すると、何頭の感染牛が判明するか――という委員の質問への農水省側の資料が提出されました。
農水省は、日本で確認されたBSE感染牛二十頭のうち、米国・カナダの検査方式で対象となるのは死亡牛五頭と、病畜(生体検査で神経症状が疑われた全身症状があった)の六頭にすぎないことを説明しました。
しかし、専門委員からは、米国では死亡牛は検査されず、病畜もすべて検査されているわけではないことが指摘されると、農水省は個体識別制度がない米国と日本では「正確な対比はむずかしい」と釈明。データ不足で疑問に答えられないことが浮き彫りになりました。
また、米国で二頭目のBSE感染牛と判明した約十二歳の肉用雌牛(ブラーマン交雑種)が当初、シロと判定されながらクロに覆った問題でも専門委員から「米国の検査がどこまで信頼できるのか。二頭目の科学的データが示されていない。報道など断片的データでは判断しようがない」などの批判がでました。
金子清俊座長代理は「(二頭目は)英国では免疫組織化学検査(IHC)が陽性だった。米国で陰性だったのは、米国のIHCが信用できないということ」と批判しました。
この審議ではデータ不足の状況があらためて浮き彫りになり、米国に提出を求めていくことを確認しました。