2005年7月17日(日)「しんぶん赤旗」
家計簿は告発する
ボーナス明細みて“えっ”
この上、サラリーマン増税32万円!?
「えっ、こんな負担増ありえない。ちょっとくらいボーナス(一時金)が上がったって仕方がないやん」。滋賀県大津市に暮らす上原一樹さん(32)=会社員、仮名=は驚きました。
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上原さんの手元にはボーナスの明細書。税と社会保険料で約八万円が差し引かれていました。「こんなに取られているのかって改めて実感した」と上原さん。この上さらに政府税調がたくらむサラリーマン増税(給与所得控除半減、扶養控除廃止を仮定)によって年約三十二万円の負担増が上原さんの家計に襲いかかります。
■車もたず節約
年収約五百二十万円。育児休暇中の妻(29)と生後十一カ月の娘の三人暮らしです。月給の手取り額は約二十七万円。生協の個別配達などを利用して食費や生活費を節約する生活です。これまで車は持たないようにしてきました。「郊外のスーパーに出かけてむだづかいをしてしまうから」です。
「子どもが生まれて現状でも生活は苦しい。しかも、育休中は妻の収入がないし」と語る一樹さん。妻の職場復帰後は、保育料が新たな出費に加わります。
「その上、サラリーマン増税でしょ。本当、ありえない」
■定年後が不安
愛媛県松山市の繊維メーカーに勤務する山下光一さん(58)=仮名=は共働きの妻(56)と妻の母親(92)の三人暮らし。年収の約六百八十万円から試算すると、サラリーマン増税(給与所得控除半減を仮定)で年約四十一万円の増税になります。妻(年収二百八十万円)の増税額をあわせると、世帯で年約五十万円の増税額になります。
「上がるとは聞いていたけど、そんなに上がるんですか」と山下さん。「二人の子どもが大学に通って出費がかさんだ大変な時期は乗り越えたのに…」
山下さんは二年後には定年を迎えます。
「年金にかかる税金が増えたんでしょ。しかも受け取る年金はどんどん削られるんでしょ。定年後の生活を考えると不安は大きい」
小泉内閣によって決められた年金課税強化や年金給付大幅引き下げが山下さん一家の生活設計を狂わせようとしています。
それに追い打ちをかけるサラリーマン増税。山下さんは「貧しい世帯はより貧しくなるしかないんですね。こんな政治を変えるしかないな」と語りました。