2005年7月19日(火)「しんぶん赤旗」
“米にハンドル握られている乗客”
対テロ戦争で米いいなり
英国攻撃の危険性高めた
英研究所報告
【ロンドン=西尾正哉】国際問題などの研究で知られるチャタム・ハウス(旧称・王立国際問題研究所)は十八日、論文を発表し、イラク戦争をはじめ「テロとの戦争」で米国のいいなりになっていることが、英国でのテロ攻撃の危険性を高めたと指摘しました。
テロと英国の治安体制などを検証した同論文は、「“予防”と“追及”を遂行する上で、英政府が米国と肩を組んでテロ対策を取ってきたことが主要な問題となってきた。英国は、政策意思決定の対等なパートナーではなく、米国にハンドルを握られている助手席の乗客であった」と指摘しています。
論文は続けて、「イラクの状況が、米英に困難をもたらしたことは疑いない。アルカイダの宣伝、兵募集、資金集めを後押しした」「強力な同盟国(の運転する車)に同乗することは、兵士の命、軍事費、反テロキャンペーンへのダメージなどに関して犠牲の多いものとなった」と指摘しています。