2005年7月20日(水)「しんぶん赤旗」

郵政民営化

簡易局 存続できず

参院特で吉川氏 「過疎地の金融機関奪う」


 全国に四千四百四十七局ある簡易郵便局が民営化によって存続不可能になる―日本共産党の吉川春子議員は十九日、参院郵政民営化特別委員会で、過疎地で郵貯・簡保の金融サービスを提供し地域住民の命綱となっている簡易郵便局の問題を取り上げました。

 現行の公社法では郵便局が「郵便・郵貯・簡保」の三事業を行う義務がありますが、民営化では金融の全国一律サービスを義務付けていません。かりに郵便業務だけを行う「郵便局」が残っても、金融サービスは存続しない恐れがあります。

 吉川氏は長野県栄村の秋山郷で唯一の金融機関となっている小赤沢簡易郵便局を視察したことを紹介。豪雪地帯で高齢者が多いなか、年金の引き出しや公共料金の払い込みなど欠かせない存在の郵便局です。「栄村にある四つの郵便局は金融サービスを含めて維持されるのか」と迫ったのに対し、竹中平蔵担当相は「過疎地の定義にあてはまれば当然水準は維持される」と答弁しました。

 吉川氏は、過疎地の郵便局維持に使うとしている地域貢献基金で賄えるのは二千局分しかなく、試算の根拠に簡易郵便局の数は含まれていないと追及。「郵便局ネットワークの維持に危ぐを禁じえない」とのべ、住民の命綱を奪う民営化をやめるよう訴えました。

 また、銀行法では銀行代理店の再委託、兼業が禁じられていますが、民営化にあたり郵貯銀行から郵便局会社、簡易郵便局への再委託と兼業を内閣府令で認めようとしています。吉川氏は「銀行法の大原則を揺るがすことになる。府令で認めるというなら条文になったものを出すべきだ」と要求しました。


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