2005年7月21日(木)「しんぶん赤旗」

郵政民営化

金融弱者うまれる

吉川議員 口座もてない人も


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 「手数料負担が増え、口座を持てなくなる金融弱者が生まれる」―二十日の参院郵政民営化特別委員会で、日本共産党の吉川春子議員は、民営化で安い手数料など民間にできないサービスが切り捨てられる問題を取り上げました。

 吉川氏が示したのは、郵便局と銀行のサービスの比較(表)。郵便局ではATM(現金自動預払機)の平日の時間外利用、土日利用とも無料です。振込料などの手数料も民間金融機関に比べて安く設定されています。生田正治日本郵政公社総裁は、こうしたサービスの提供は、「簡易で確実な貯金の手段」「あまねく公平に利用」されることを目的に掲げた郵便貯金法や郵便振替法などの法律に基づいて「公社が経営判断している」ものであることを認めました。

 郵政民営化は、こうしたサービスの根拠となっている郵貯法の「目的」を廃止するものです。

 吉川氏は、「郵貯銀行になっても公社でおこなわれているサービスが維持される法的しばりはあるのか」とただしました。

 竹中平蔵担当相は「自由な経営のなかで利用者の利便性も向上する」と答弁。「サービス維持」は郵貯銀行の新しい経営陣の判断に委ねられるもので、何の法的“しばり”もなくなることが明らかになりました。

 吉川氏は、郵便貯金ではかからない口座維持手数料を大手銀行を中心にとるケースが増えていることを指摘。郵貯の利用者は定額・定期預金で百万円以下の人が四割と小口預金者が多いことや、米国、イギリスでは口座を持てない国民がすでに十数%いて大問題になっている事例をあげ、「サービスを経営判断まかせにし、社会的な不安定をもたらしかねない郵政民営化はやめるべきだ」と求めました。


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